記憶と圧。

 

寄り添って愛と呼び壊れないと信じていても

錆付いた快楽は何処から期待したって

亡きものなのです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---------------

 

 

 

 

 

 

 

 

からっぽの私は

 

仕事をして酒を飲んで

仕事のことばかり考えて酒を飲んで

彼女業務をして酒を飲んで

事実婚生活を続けて酒を飲んで

 

君にあえない日を生きていて

 

 

あんなに苦しいほど

ぞんだ君を

 

もう心の中の記憶でしか

 

あいせなくなってしまって

 

 

その苦しさに

 

また酒を飲んで

 

 

仕事は繁忙期を迎え

 

予算との戦いの中で

 

部下育成の上での意見のすれ違いに

 

神経は摩耗していくから

 

 

また酒を飲んで

 

 

 

 

いつの間にか昔の仲間の店にいた。

 

 

 

そいつは変わらず私を昔の名前で呼ぶ。

 

 

もうあの頃の私はいなかったけど

 

夜の街には私がのぞんでるものが

 

少しだけ落ちていて

 

 

四軒目の店の終わりに

 

また私は圧を受け入れる。

 

 

 

うずくまる背中に

 

数ヶ月前に微笑んでくれたひとの

 

圧。

 

 

 

その後は転がり落ちる。

 

 

 

転がり落ちたその先で

 

頭を撫でて

 

身体を包んでくれた腕の圧。

 

 

 

 

 

君とは違うぎこちなさで

 

君とは違う若さで

 

君とは違う匂いだった。